歯のはなし213
2020.10.17
口腔乾燥症(ドライマウス)について ①
唾液はお口の中にある唾液腺から
1日に約1~1.5リットル分泌されています(平均値)
お口の中はいつも唾液で湿っていますが
さまざまな原因で分泌量が減少したり、分泌されなくなって
お口の中が乾燥した状態をドライマウスといいます
お口の中が乾燥する原因は
疾患、薬の副作用、脱水、口呼吸、ストレスによるものなどがあり、
それらが複数合わさってドライマウスを引き起こしたりします
歳を取ったから乾燥しやすくなったと思われる方も多いですが
加齢そのものが乾燥の原因ではなく、加齢にともなって疾患やさまざまなお薬を飲むことが増えて
その影響で唾液の分泌量が変化していると考えられます
唾液が減少すると、
咀嚼や嚥下(噛んだり飲み込むこと)がむずかしくなります
食事をする際、食べ物を口に入れて歯と顎の力で食べ物を細かく砕きます
砕いた食べ物を唾液が適度な塊にして飲み込みやすくして食べ物を喉から食道へ送り込みます
これは日々無意識に行われていますが唾液が少ないと
食べ物を細かく砕いてもなかなか適度な塊になりにくいため時間がかかります
うまく塊を作れないので飲み込む際にも苦労します
ひどい人は飲み込みに失敗し、むせてしまったり、放っておくと誤嚥性肺炎のリスクも高くなります
ほかにも唾液の抗菌作用や自浄作用が低下してむし歯や歯周病になりやすくなるだけでなく、
口臭や粘膜の感染症、味覚障害などを起こすこともあります
ドライマウスの患者数は増加傾向にあるようです
次回はドライマウスの予防や治療についておはなしします