歯のはなし203
2020.08.01
嚥下障害について
飲み込む動作のことを「嚥下(えんげ)」といい、
嚥下が何らかの原因で障害を受けることを「嚥下障害」といいます
嚥下障害の症状としては大きく分けて「嚥下困難」「誤嚥」の2つがあります
嚥下困難とは
・固いものやパサついたものが飲み込みにくい
・食事の際の疲労感があり最後まで食べることができなくなる
誤嚥は
・食事の時に咳き込んだり、むせる
・食後に声がかすれたり、痰がからむ
「誤嚥性肺炎」という病名を一度は耳にしたことがあるかと思いますが
誤嚥によって口の中の細菌が気管や肺に入ってしまうことで免疫力が低下し肺炎を発症します
誤嚥性肺炎は再発を繰りかえすだけでなく、多くの高齢者が死亡する原因になっています
嚥下障害は
・加齢からおこる唾液分泌の機能低下やかみ合わせの不適
・口内炎や扁桃炎、咽頭炎、口腔がん
・神経症などの心因的要因
・脳卒中や脳腫瘍、パーキンソン病といった機能的要因
などさまざまな原因から起こることが分かっています
嚥下障害を予防・対策を紹介します
〇腹式呼吸や発音訓練をする
〇「あいうべ体操」をする(→参考「歯のはなし167」)
〇唾液の分泌を促すために唾液線のマッサージをする(→参考「歯のはなし◎」)
〇イスに深く腰掛けて正しい姿勢で食事をする
〇ゆっくり噛んで食事する
〇歯と口を清潔に保つ
最後の「歯と口を清潔に保つ」が特に重要です
年齢問わず健康のために大事なことなので、できるだけ実践してみることをおすすめします
(参考資料:福岡県歯科保険医協会発行「歯の豆知識No.37」)