歯のはなし193
抜歯後に気をつけてほしいこと
前回歯を抜いたらどのように治っていくのかその過程についてお話ししました
今回は抜歯後に気を付けてほしいことについておはなしをします
食事について
麻酔が切れたら食事して大丈夫です
酸っぱい、辛いなどの刺激物を食べると抜いたところが痛むこともあるので
できればそういったものは控えたほうがいいと思います
抜いたほうで咬むと痛いと思いますのでそちら側での食事は避けましょう
飲酒について
抜歯した当日は飲酒しないでください
アルコールを摂取すると血行が良くなり、止まりかけている血がまた出始めることがあります
喫煙について
抜いた当日だけでなく、しばらくは喫煙を控える方がよいでしょう
たばこの成分は傷口にいい影響をもたらしません
電子タバコもおすすめできません
運動について
抜歯した当日の激しいスポーツは控えましょう
アルコールと同じで血行が良くなってしまうためです
お風呂について
抜歯した当日は湯舟にはつからずシャワー程度が良いでしょう
こちらも血行が良くなることだからです
もちろんサウナも控えてください
歯磨きについて
歯磨きはして大丈夫ですが、抜歯窩に歯ブラシが当たるのは避けてください
そしてうがいは少なめに、「ガラガラうがい」や「グチュグチュうがい」など強いうがいは
絶対にしないでください
少量の水を口に含んでお口は動かさずに出すだけでも口を漱ぐことはできます
歯磨きの時に限らず抜歯窩にうがいは厳禁です
出血で口の中が不快な感じがあるかと思われますがうがいは我慢しましょう
出血について
お口の中は常に唾液があり、血と混じるとドロッとした塊になるため
一見すると出血量がものすごく多くなったように感じることがあります
多少の出血が考えられますが、異常性はないことがほとんどです
（唾液の分泌量や抜歯窩の状況、服用中のお薬や体調などで個人差があります）
出血が気になるときは綿やガーゼなどを丸めて抜歯窩の上に置いてしばらく咬んでみてください
圧迫止血することができます
歯のはなし192で説明したように
抜歯窩に血がたまり、ゼリー状の血の塊「血餅(けっぺい)」ができることで傷口を塞いでいきます
血餅がなくなると骨が露出して抜歯窩に強い痛みが出ることがあります
これは「ドライソケット」と呼ばれる状態です（→歯のはなし48参照）
ドライソケットは抜歯後2～3日後くらいから次第に痛みが強くなっていきます
ドライソケットになる原因は過剰なうがいや抜いたところを気にして触ったり圧がかかることで
血餅が十分に形成されなかったり脱落してしまうことによります
また、感染による炎症で血餅が溶解することもあります
そうならないように抜歯後は十分に注意しましょう